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PhysicsLab. 2017 Blog

東京大学理学部物理学科有志による、第90回五月祭企画「PhysicsLab.2017」のブログです。準備の様子や各班の内容を紹介していきます。

ヘリウムの不思議

こんにちは、低温班班長の垂水といいます。

 

我々低温班では、「液体ヘリウムの超流動デモ動画の撮影」を行っています。

 

今日は、ヘリウムについてお話ししたいと思います。

 

ヘリウムと言えば、声を高くするパーティーグッズや、飛んでいく風船などによく使われますね。これらはともに、「気体の」ヘリウムを用いています。しかし、「液体の」ヘリウムはあまり日常では見かけません。どうすれば液体のヘリウムができるのでしょうか?

 

身近な物質、たとえば水で考えてみましょう。

水は、0度よりも低い温度では氷、つまり固体になり、0度から100度では水、液体になり、100度以上では水蒸気、つまり気体になります。これらは「水の三態」などと呼ばれます。

このように「三つの状態」があるという性質は、地球上のほぼ全ての物質について共通に言えることです。当然ヘリウムにも当てはまり、条件によってはこれまで述べていない「固体の」ヘリウムも存在することがあります。

水では、温度が低い順に固体→液体→気体となりました。この順番も大体の物質が同じで、空気中の物質など、普段気体でいるような物質も、十分に冷やしてやれば液体や固体になります。液体ヘリウムを得るには「温度を下げる」ことが必要です。液体ヘリウムにするには、-269度(!!!)という非常に低い温度にする必要があります。ちなみに、温度にはもう一つ「絶対温度」というものがあり、そちらで表せば4.2Kとなります。

(この温度に達するにはどうしたら良いのか?知りたい方は、ぜひ我々の展示にいらしてください。)

 

ここで、ヘリウムに特有の不思議な性質で、「大気圧ではどんなに冷やしても固体にならない」というものがあります。この性質は、ヘリウムが軽いこと、ヘリウムが希ガスであることに関係しています。このように、「軽い」という力学的な性質が、沸騰や凝固に関係するのは不思議ですね!

 

このように、関係なさそうなことが実は関係していた、というのは物理ではよくあることで、これが物理の醍醐味の一つであると思います(僕が物理の醍醐味を語るのはおこがましいですが...)。

 

各班が、各々伝えたい「物理」があると思います。ぜひ当日展示を見て、また班員と話して、「物理」を感じてみてください。